まちかど展示館

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楊枝資料館管理者:株式会社日本橋さるや( 平成25年度認定)

江戸の粋を表す小さな世界

細工楊枝の巧みな技

日本で唯一の楊枝専門店「さるや」は、地下鉄三越前駅のすぐ近く。コレド日本橋3をちょっと入った下町風情の漂う小路にあります。白くシンプルな店先の藍色の暖簾には、「ご縁」の意味を含む「括り猿」の印が大きく染め抜かれています。「さるや」の名前の由来は「猿は歯が白いので楊枝屋の屋号に用いられていたそうです」と9代目当主・山本亮太さんが教えてくれました。
宝永元年(1704年)から続く老舗には細工楊枝の数々が展示されています。横長の額に、ザクと呼ばれる基本形から、松、竹、梅といった縁起物。そして太刀、うなぎ、櫂(かい)、キセルなどそれぞれのフォルムや特徴を巧みに削り出した細工楊枝がぎっしりと並んでいます。ほんの小さなモノにも遊び心を求めたのが江戸の粋というものでしょうが、それに応えた熟練職人の繊細な仕事が見事です。たかが楊枝、されど楊枝といった心意気が伺えます。

照降町の賑わいと「さるや」

歌川国芳による江戸時代末期の浮世絵も展示されており、当時の「さるや」の店頭の賑わいが描かれています。「当時は楊枝だけでなく化粧品・小間物も扱っていたことがこの絵から分かりますが、当店を描いたのか、店先の賑やかな通りを描いたものか、今となってはちょっと分かりません」と山本さん。絵には「てりふり町」の文字が見えます。「以前店があった照降町(現・日本橋小網町)のことで、晴れても雨降りでも賑わう町なのでそう呼ばれていたんです」 また今は時代劇などでしか見ることのない総(ふさ)楊枝も展示されています。これは柳の片方の先端をなめし、叩いて総状にしたもので、今でいう歯ブラシでしょう。江戸時代には身だしなみの大切な道具のひとつだったようです。

武士は食わねど…

展示品の見学の後はぜひ商品にも目を向けたいもの。同店の楊枝の原料にはすべて黒文字(クロモジ)という爽やかな香りのするクスノキ科の植物が使用されています。その黒文字を熟練の職人が1本ずつ手で削っていく上角楊枝が同店を代表する商品。また1本ずつ小さな紙で包まれた楊枝「辻占(つじうら)」は、紙を開くと、恋の都々逸が書かれた粋なもの。「さむらい楊枝」は2013年、日本橋室町に新店舗を構えたのを記念した商品。「しからば」「それは解せぬ」など、さむらい言葉と英訳の紙を巻いたユーモアのあるシリーズものも。ちょっとしたお土産にぴったりな小さな江戸の粋を持ち帰れます。

お話を伺った方  代表取締役 山本 亮太さん

■展示館インフォメーション
楊枝資料館管理者:株式会社日本橋さるや( 平成25年度認定)
住所 東京都中央区日本橋室町1-12-5地図 開館日 月〜土曜日(祝日を除く)
電話 03-5542-1905 開館時間 10:00〜18:00
HP http://www.nihonbashi-saruya.co.jp/ 最寄り駅 三越前駅A1番出口 徒歩5分
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