神輿を模した展示館と露払いの松
2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村建設と都市開発で日々変貌していく晴海地区。選手村の整備が進む5丁目と晴海通りを挟んですぐ隣が晴海臨海公園です。晴海運河側に「水辺のテラス」やプロムナードを備え、ベイエリアの夜景も楽しめ、東京の新しい観光スポットとしても注目される公園です。
この公園入り口に設置されたのが『ふるさと晴海資料展示館』です。建物はまるで神輿を模したような方形(ほうぎょう)屋根。屋根の一角には蕨手のように反り返ったデザインを取り入れて、そこに「晴海」の文字が金色に輝いています。展示館の前には、神輿の前を先導する手古舞(てこまい)のように美しい松が何本も芝に植えられて容姿を競っていました。
40年来の念願だった神輿
展示館には大きなガラス越しに町会の神輿3点セット(大人、子供、山車)を見ることができます。これまで晴海には自前の神輿がなく、住吉神社の大祭にはレンタル神輿で参加していました。しかし40年来の住民の念願が成就し、平成23年に浅草の神輿師・宮本重義氏によって晴海の神輿は造営されました。
大人神輿の台輪寸法は二尺五寸。彫金、彫刻、螺鈿(らでん)など江戸神輿の伝統が随所に施されています。瓔珞(ようらく)と吹き返しには晴海をイメージした青色の七宝焼に「晴海」の文字が入れられているのが大きな特徴です。この神輿は、成長を続ける町の地域コミュニティーを育むシンボルとなり、これから増大する国内外の観光客の鑑賞に堪える美しさと迫力を備えたものです。
新しい東京が一望できるまち
展示館の壁面には晴海70年の歴史パネルや地域のイベント「フラワーフェスティバル」の写真も公開しています。終戦後、晴海港は日本の流通基地として発展しましたが、昭和30年代は10階建てのアパートが何棟か立っているだけでした。それが今日では高層マンションが数十棟近くの未来都市に変貌しつつあり、地域活動も活性化しています。
東京の海の玄関である「晴海ふ頭」は展示館から歩いて15分ほど。「晴海客船ターミナル」には国内外の美しい客船が停泊し、すばらしい展望が開けています。「いつも晴れた海に臨みたい」という希望を込められたまち「晴海」は今もかわらぬ美しさで人々を迎えてくれます。
お話を伺った方 晴海連合町会 事務局長 風間 慎輔さん
晴海連合町会 会長滝浪 誠さん
■展示館インフォメーション | ||||
ふるさと晴海資料展示館管理者:晴海連合町会(平成24年度認定) | ||||
住所 | 東京都中央区晴海2-4 晴海臨海公園内地図 | 開館時間 | 常時開館 | |
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電話 | 03-6204-2466(11:00〜16:00) | 最寄り駅 | 勝どき駅A2a番出口 徒歩10分 | |
開館日 | 通年 |