まちかど展示館

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兜町・茅場町まちかど展示館管理者:日本橋七の部連合町会(平成25年度認定)

地域の歴史と文化を偲ぶ

金融街の近くの緑豊かな公園に

「兜町」といえば東京証券取引所の通称でもあり、日本橋兜町界隈は日本の金融の中心地として活気の漲るまちです。しかし、証券街から永代通りを渡った一角に、少し趣の異なる閑静な街並があります。かつては日本橋坂本町と呼ばれた地区で、茅場町にある日枝神社の門前町として賑わってきました。
この一角にあるのが坂本町公園で、都心の中にありながら緑豊か。地域のビジネスマンや住人の憩いの場として親しまれています。この公園内に建てられているのが『兜町・茅場町まちかど展示館』で、この地域一帯の伝統文化財、資料などを見ることができます。

「兜」を掲げた珍しい山車

ここには地元の神輿4基と山車1基、そして江戸町火消し「百組」伝統の写真や革半纏(かわはんてん)などが展示されています。出色は兜町の山車でしょう。町名に合わせ大太鼓の上に鳳凰の代わりに立派な「兜」が飾られた、ほかにはないもので見逃せません。「兜」の文字は兜町町会の神輿にも取り入れられ屋根の周りの葺返や珱珞(ようらく)には七宝焼の「兜」の文字の金具がはめ込まれています。四方の蕨手や鳥居も白龍が絡まる凝ったつくりの個性的な神輿です。茅場町一丁目町会の神輿は、黒漆延べ屋根に三つ巴紋を構えた神社型神輿。昭和初期の製作ですが、昭和50年に改修、色揚げされ華麗な神輿です。また、茅場町二・三丁目町会には2基の大神輿があり、ともに昭和11年に地元茅場町の宮大工・宮銀こと田村春吉氏が製作したものです。梨地唐破風屋根三つ巴(二丁目)と、黒漆延べ屋根一つ巴(三丁目)で、ともに重厚感溢れる玄人好みの神輿です。

「粋」を感じる町火消しの資料

また、祭とゆかりの深い「町火消し」にまつわる粋な品々も展示されています。明治10年頃の写真には、当時の町火消し第一区の一番組から十番組までの連中が集結し、10本の纏が勢揃いした貴重なシーンが映っています。撮影場所は公園奥の日本橋消防署前で、時を経ても火消しの使命は受け継がれています。坂本町公園は明治22年に開園し、東京の市街地に最初に設けられた小公園とされています。隣接する区立阪本小学校も明治の学制布告で「第一大学区・第一中学区・第一番官立小学・阪本学校」として創設されました。すべて「一」を冠したことから「一番学校」と呼ばれてきました。谷崎潤一郎も卒業生でした。展示館の案内板には、儒学者の荻生徂徠や俳人の宝井其角が住んでいた江戸時代から近代までの地域の変遷に触れています。歴史を感じながら日枝神社や兜神社などへ足を伸ばすのも一興です。

お話を伺った方

柴 俊明さん

■展示館インフォメーション
兜町・茅場町まちかど展示館管理者:日本橋七の部連合町会(平成25年度認定)
住所 東京都中央区日本橋兜町15-3
坂本町公園内地図
開館時間 8:30〜20:00
電話 090-2465-4001(10:00〜19:00) 最寄り駅 茅場町駅12番出口 徒歩2分
開館日 通年
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