まちかど展示館

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小伝馬町牢屋敷展示館管理者:小伝馬町一の部町会(平成23年度認定)

江戸時代の牢獄を垣間みる

牢の構造や施設の目的が一目瞭然

時代劇でお馴染みの「伝馬町牢屋敷」は現在の中央区日本橋小伝馬町3~5番を占めていました。面積は2,618坪(8,637平方メートル)。周囲に土手を築いて堀を巡らし、土塀に囲まれていました。その牢屋敷の内部の模型を展示しているのが日本橋小伝馬町5番にある十思スクエア(旧十思小学校)に隣接する「十思スクエア別館」内にある『小伝馬町牢屋敷展示館』です。
牢屋敷の獄舎は身分によって区分けされていました。大牢と二間牢は庶民、揚屋(あがりや)はお目見以下の幕臣、大名の陪臣、僧侶、医師。牢屋敷は現在でいえば未決囚の収容所で一時的に留置しておくためのものでした。したがって取り調べをする穿鑿(せんさく)所や拷問蔵もあり、模型にもそれらの場所が明記されています。

牢屋敷の上水井戸跡

模型を見学したら、十思スクエア別館の奥に保存されている上水井戸と上水木樋(じょうすいもくひ)もぜひご覧ください。地下に眠る牢屋敷の設備を足元のガラス越しに眺めると、小さな歴史の断片がリアルに迫ってきます。さらに隣接する十思公園にまわると発掘された石垣が出土したそのままの状態で移築復元されています。そこから推測すると、牢屋敷は高さ2.4mもの高い塀で囲まれていたといいます。
公園の東側には、安政の大獄で処刑された松蔭直筆の辞世の句碑、吉田松陰終焉の地の碑が並んでいました。「身ハたとひ 武蔵の野辺に朽ぬとも 留置まし大和魂」。この句が明治維新の原動力になったともいいます。

江戸の町に響いた「時の鐘」

公園にはコンクリート製の鐘楼に都指定文化財の「銅鐘 石町(こくちょう)時の鐘」も設置されています。これは江戸の町に時を知らせていた鐘で、処刑が行われる日には鐘を撞く時間を少し延ばして、処刑を遅らせたという、江戸町人の心持ちが伺える逸話も残されています。また、明治になって牢屋敷跡地に建立された十思公園前の大安楽寺も立ち寄りたいスポットです。境内には処刑場があったとされ、刑死者の慰霊のため「延命地蔵尊」が祀られて、寺の壁沿いにも「江戸伝馬町処刑場跡」の石碑を見ることができます。
ちなみに十思スクエアは東京都の歴史的建造物に指定されています。表現主義の建築様式で、カーブが美しい入り口、アーチ窓、半円形の柱などが見所です。

お話を伺った方  志賀 征一さん

■展示館インフォメーション
小伝馬町牢屋敷展示館管理者:小伝馬町一の部町会(平成23年度認定)
住所 東京都中央区日本橋小伝馬町5-19
十思スクエア別館内地図
開館時間 9:00〜20:00
電話 03-3546-5346
中央区区民部文化・生涯学習課内
月~金曜日(祝日・年末年始等を除く)
9:00〜17:00
最寄り駅 小伝馬町駅4番出口 徒歩3分
開館日 年末年始等を除く毎日
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