まちかど展示館 エリア特集

【連載】フランス人銭湯大使の

フランス人銭湯大使の 最近銭湯に行きましたか?

かつて日本人の生活に欠かせない場所だった銭湯。 近年数は減っているものの、現在中央区にも8軒あり、人々の憩いの場として今なお地域に根付いています。 そんな銭湯の魅力を世界に向けて発信しているのが、フランス人銭湯大使、ステファニー・コロインさん。
ステファニーさんが中央区の銭湯を訪ね、その良さをたっぷりと紹介します!

第5回 非日常の空間で、心と体のリセット

いよいよ連載も最後となりました。
日本の素敵な銭湯文化の魅力を、少しでもお伝えできていればとても嬉しく思います。
銭湯は体の汚れのみならず、日々の疲れや嫌なことを綺麗さっぱり洗い流すことができます。 実は私も銭湯でフロントのお手伝いをしていますが、お客様の顔はお風呂に入る前と後では全く違っていて、湯上り後の表情はとても朗らかになっています。
心の健康にも効果のある銭湯ですが、今回は、銀座を挟むように建つ2軒の銭湯をご紹介します。

【銀座エリア編】

金春湯

「古き良き」と「モダン」が調和した空間

場所は日本有数の高級商業施設が軒を連ねる銀座通りから1本入った金春通り。開業はなんと1863年(文久3年)で、1945年に現店主の横山さん(3代目)の祖父が経営を引き継ぎ今に至ります。
浴槽側の壁面は、男女ともに富士山のペンキ絵と、縁起の良い12匹の鯉が描かれたタイル画。そしてカラン側は四季の花々のタイル画が浴室全体をとても華やかに彩っています。脱衣場には、大正時代から受け継がれてきた神棚があり、都会の真ん中にあるとは思えないほどの懐かしさを感じます。一方で、女性の脱衣場には花が飾られ、高性能ドライヤーやアロマディフューザーなどが設置され、現代の快適さなど、ご主人のこだわりと気配りを感じるとても素敵な銭湯です。

金春湯(こんぱるゆ)
◎住所/中央区銀座8-7-5  ◎TEL/03-3571-5469
◎営業時間/14:00〜22:00、土曜日のみ14:00〜20:00
◎定休日/日・祝
◎交通/東京メトロ銀座線銀座駅より徒歩5分、JR新橋駅より徒歩5分

文・写真/ステファニー・コロイン

銀座湯

浴槽から眺める隅田川の花火と銀座の景色

京橋駅・宝町駅から徒歩3分、銀座一丁目にあるビル型の銭湯です。のれんをくぐると番台がありますが、1階が女湯で2階が男湯とユニークなつくりになっています。下駄箱の一部にはブーツも入るので、冬場は嬉しいですね。特に目を引くのは繊細なモザイクタイル絵。女性側は夜空に打ち上げられた隅田川の花火が、男性側には銀座四丁目交差点の綺麗な夜景があります。特に、和光本館を中心とした銀座四丁目のタイル絵は遠目では写真と見間違うほど。そしてこだわりを感じるのは、清潔さ。床のタイルの目地も真っ白でカランも鏡もピカピカなので、お風呂も一層気持ち良く感じます。お買い物や食事を楽しんだ帰りにリフレッシュするのが、おすすめですよ。

銀座湯(ぎんざゆ)
◎住所/中央区銀座1-12-2  ◎TEL/03-3561-2550
◎営業時間/15:00~23:00(23:00で完全閉店)
◎定休日/日・祝
◎交通/都営浅草線宝町駅A4番出口より徒歩2分、
東京メトロ銀座線京橋駅1番出口より徒歩3分

文・写真/ステファニー・コロイン

ステファニー・コロイン銭湯ジャーナリスト/銭湯大使(日本銭湯文化協会公認)

南フランス出身。日本文学に興味を持ち留学で来日した際、初めて銭湯と出会う。
現在は、銭湯文化を世界中に広めるためブログやインスタグラムで銭湯の情報を発信。
日本全国の銭湯を巡り、テレビやラジオの出演も行う。これまでに行った銭湯は800軒以上。
2018年夏に新刊『フランス女子の東京銭湯めぐり』(株式会社G.B.)を出版。
WEB:dokodemosento.com Instagram:@_stephaniemelanie_

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