まちかど展示館 エリア特集

日本橋エリア 年末年始特集

小伝馬町牢屋敷展示館

想像が膨らむ模型とリアルな遺構に興味は尽きず…
江戸の牢獄を垣間見る貴重な展示館。

―牢屋敷での年末年始の行事は?
残念ながら文献ではそういう話は見たことはないですね。私の専門は考古学ですので、発掘調査されたものからお話ししますと、牢屋敷跡地の北東側からは、江戸時代の徳利、通称「貧乏徳利(びんぼうどっくり)」が数百本と大量に発見されているんです。これを何に使ったかはっきりしていないのですが、寒さの厳しい冬場に、囚獄(牢屋奉行)の石出帯刀(いしでたてわき)の恩情によって湯たんぽとして利用された、また実は酒がかなり出回っていたと考えています。牢内には牢名主が仕切る厳しい自治組織があったんですが、賄賂次第では差し入れもかなり融通が利いたようですね。
―発掘調査ではほかに何が?
建物の外に一部を移築復元してある石垣は、実際はこの模型のようにもっと高く、その上に練塀(ねりべい)がありました。外周はもちろん内部にあった塀もかなり堅牢だったようです。それは脱獄防止のためもありますが、外から仲間に入られて囚人が奪還されるのを幕府が恐れていたからだと思います。ここには政治犯が多く収監されていましたから。また改番所(あらためばんしょ)辺りの基礎は溝を掘って石を詰めたぐらいで、町人の土蔵よりも簡単な造りです。江戸は火事が多く、牢屋敷も何度か燃えていますので、最初から簡素にしていたのかもしれませんね。

お話を伺った方
中央区教育委員会
図書文化財課郷土天文館
仲光 克顕さん

小伝馬町牢屋敷展示館

管理者:小伝馬町一の部町会(平成23年度認定)
東京都中央区日本橋小伝馬町5-19 十思スクエア別館内
03-3546-5346(中央区区民部文化・生涯学習課内 9:00~17:00)
開館日:年末年始を除く毎日 
開館時間:9:00~20:00
最寄り駅:小伝馬町駅4番出口 徒歩3分
【年末年始の展示館の営業】
◎年内:12/28(金)まで
◎年始:1/4(金)より

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