- ―特におすすめの展示品は？
- 現在日本で10部しか確認されていない福澤諭吉『學問のすゝめ』の初版本を収蔵しています。洋紙に両面刷りをした日本の近代印刷の先駆けです。これを当社の創業90周年に復刻したのですが、紙も印刷もオリジナルに忠実に再現しました。復刻版は国立国会図書館や慶應義塾大学、大分県中津市の福澤記念館にも進呈し、大変喜ばれました。ほかにも当社の高精細印刷技術を使って世界の価値ある書物を復刻していますので、それらもぜひ見て欲しいですね。
- ―中央区ならではの所蔵品は？
- この辺は明治から印刷会社が多く、新橋演舞場の活版等、貴重な品を譲り受けました。江戸時代の版画も多く所蔵しています。また現在の明石町にあった居留地の資料も収集しています。築地は全国7ヵ所の外国人居留地で最後、明治元年に開設され、外国の商人や船乗りが来ると予想されていたのですが、商社はすでに横浜居留地にいたため主に宣教師や外交官が来たんですね。彼らが教育に力を入れたおかげでここから誕生した学校は13校もあります。日本初の本格ホテル、築地ホテル館もできましたが銀座大火で明治5年に焼失しました。新富町には外国人目当てに新島原遊郭が置かれたのですが、宣教師や外交官が利用しないので（笑）2年程で廃止になってしまったんですよ。
お話を伺った方
館長
水野 雅生さん
ミズノプリンティングミュージアム
管理者：ミズノプリテック株式会社
（平成23年度認定）
東京都中央区入船2-9-2
03-3551-7595
開館日：月～金曜日（祝日・年末年始等を除く）
開館時間：10：00～16：00
※訪れる際には事前の予約が必要です
最寄り駅：新富町駅5番出口 徒歩5分
JR八丁堀駅A2番出口 徒歩5分
HP：http://www.mizunopritech.co.jp/
