まちかど展示館 エリア特集

銀座・京橋エリア特集

のれん・提灯・下絵の展示館

町人文化が育んだ文字を今も手書きで。
江戸文字を追求し続ける店主の想いに触れる。

―江戸文字とはどんなもの?
広くは江戸時代にできた文字全体を指します。諸説ありますが、徳川家康が公文書に使う文字を御家流(おいえりゅう)に統一したことで、それが芝居小屋等の看板や幟旗などに応用され、だんだん太くなって江戸文字が生まれました。さまざまな文字が派生する中で、歌舞伎の勘亭流や相撲の根岸流などは業界専用として書く人が決まっていました。それに対して提灯や袢纏、店の看板等に使われたのが狭い意味での江戸文字ですね。うちのような家業の人が書いて日用品の印にした庶民の文字なんです。ヒゲ文字、牡丹文字、角字などいろいろな書体がありますよ。
―絵びらについて教えてください
「絵びら」とは今でいうポスターで基本、手描きの一点物です。昭和初期には開店日や芝居の初日等に、絵も文字もすべて肉筆の絵びらを贈る文化がありました。木材を組んでずらりと貼り賑やかにするんですね。これは関東だけの風習らしく、雨が降れば終わりで当時のものはほとんど残っていないようです。絵は絵師が描き、字は提灯屋や旗屋が書くんですが、うちは祖父の代からの家業なので、その頃のいい絵がある程度残っています。でも私の知る限り今は絵師さんがいないんですよ。昭和30年代までにはこんな庶民文化があったことを知って欲しいですね。

お話を伺った方
代表取締役
加藤木 大介さん

のれん・提灯・下絵の展示館

管理者:有限会社津多屋商店
(平成24年度認定)
東京都中央区築地6-5-5
03-3541-3741
開館日:月~土曜日(祝日・年末年始・市場休業日等を除く)
開館時間:7:30~17:30
最寄り駅:築地駅1番出口 徒歩5分
築地市場駅A1番出口 徒歩10分
HP:http://www.noren-tsutaya.com/

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