まちかど展示館 エリア特集

日本橋エリア特集 Part.3 江戸っ子の夏に想いを馳せて日本橋エリア特集 Part.3 江戸っ子の夏に想いを馳せて

兜町・茅場町まちかど展示館

3つの町会それぞれが誇る、大小の神輿がズラリ。
力を合わせて下町連合渡御に臨む!

下町連合渡御の集合場所は日本橋日枝(ひえ)神社(摂社)。「日本橋七之部」の駒札を付けて宮入りし、セレモニーの後いざ出発!

七之部の高張提灯が勢揃い。神酒所と御仮屋は3町会で別々に作ります。

昭和10年頃、旧兜町三丁目の御仮屋の前で。大勢の子供達の後に見える山車は、とても高さのある立派なものでしたが、空襲で焼失してしまったそう。

自慢のまち神輿

茅場町一丁目の大神輿は台座二尺八寸、黒漆延べ屋根に三つ巴紋を構えた神社型神輿。昭和11年の作で製作者は不明ながら、江戸神輿の典型的なスタイルで安定感があります。平成22年にも改修、色揚げをした華麗な神輿。

茅場町二・三丁目が担ぐのは昭和11年に地元の宮大工・宮銀こと田村春吉氏が製作。重厚感あふれ、軒下の角には他の神輿にはない猪牙(ちょき)の形の金物が!昔の町名亀島町にちなみ亀の彫刻も。

展示館には田村氏のお孫さんが手作りしてくれたシュガークラフトの神輿も。

梨地唐破風(からはふ)屋根の兜町の神輿は、昭和34年、行徳の後藤直光氏が製作。屋根周りの吹返しや瓔珞(ようらく)に兜と入れた七宝焼が光ります。四方に白龍が絡まり、彩色をした彫りがいっぱいの個性的な神輿。

大太鼓の上に立派な兜を載せた兜町の山車。他で見ることのない形。

―展示館を管理しているのは?
日本橋には一之部(いちのぶ)から七之部(ななのぶ)まで町会の連合体がありまして、ここは茅場町一丁目、茅場町二・三丁目、兜町で作る「日本橋七之部」の神輿庫です。茅場町二丁目と三丁目の町会はかつて合併したため、二・三町会には大小の神輿が2基ずつあり、本祭(ほんまつり)毎に交代で担いでいます。祭の時に神酒所に飾る獅子頭も2町会分あります。
―江戸町火消しの品については?
徳川吉宗の時代に隅田川の西側に町火消し「いろは四十八組」が作られましたが「へ・ら・ひ・ん」を嫌い、代わりに「百・千・万・本」を使いました。ここにはその百組(ひゃくぐみ)があり、今も鳶職が受け継いでなかなか立派な御仮屋(おかりや)を作ってくれます。連合渡御の際、京橋では最初に各町の鳶頭50人ぐらいで木遣りを歌ってね。木遣りも祭にはつきものですよ。各神輿には必ず地元の鳶頭(かしら)が付き、百組は赤い高張提灯(たかばりちょうちん)を掲げて神輿を守ります。
―下町連合渡御の見どころは?
日本橋の上では神輿を天に差し上げますが、日本橋の真ん中が〝仕切り線〟で、向こうは神田明神の氏子の地域。そこに神田の連中がずらっと高張提灯を持って待ってるんです。「ここから来るんじゃねえぞ」って感じで(笑)。そこで神輿の向きをターンして、また日本橋の上で「差し」ます。とても盛り上がりますよ!
茅二三町会は今、45年前の若手の団体「歩み会」が中心。若い人に期待したいね!

お話を伺った方柴 俊明さん

兜町・茅場町まちかど展示館

管理者:日本橋七の部連合町会(平成25年度認定)
東京都中央区日本橋兜町15-3 坂本町公園内
090-2465-4001(10:00~19:00)
開館日:通年
開館時間:8:30~20:00
最寄り駅:茅場町駅12番出口 徒歩2分

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