- ―さるやの歴史は?
- 江戸の宝永年間(1704~1711年)に開業し、最初は房楊枝(ふさようじ)を扱っていたようです。当時の楊枝屋の多くは猿屋という屋号を使っていたそうで、その理由は猿は歯が白いからとも、猿を連れて売り歩いていたからとも言われています。実際に楊枝師(ようじし)と猿が一緒に描かれた文献も残っているんですよ。当店は七郎兵衛(しちろべえ)の名を六代ぐらい襲名していたようで、私が九代目になります。
- ―ずっと日本橋ですか?
- 2013年にここに移転する前は、江戸時代に照降町(てりふりちょう)と呼ばれた日本橋小網町にありました。店頭にある錦絵にはさるやのマークの「括猿(くくりざる)」の店が描かれていますが、櫛などの小間物も置いてあり、賑やかな通りの印象を描いたものかもしれません。
- ―さるやの楊枝とは?
- 日本の楊枝はさまざまな木が使われますが、さるやでは高級とされる黒文字だけを使っています。一本ずつ作る手作業ですから熟練の職人でも一日400本程度しか作れません。実は楊枝作りの技術自体は難しいものではないんです。なので会社勤めを引退してから職人を目指す方も多いんですが、同じクオリティで手早く作り続けることが難しい、そこが職人の技ですね。
お話を伺った方代表取締役
山本 亮太さん
楊枝資料館
管理者:株式会社日本橋さるや(平成25年度認定)
東京都中央区日本橋室町1-12-5
03-5542-1905
開館日:月~土曜日(祝日を除く)
開館時間:10:00~18:00
最寄り駅:三越前駅A1番出口 徒歩5分
http://www.nihonbashi-saruya.co.jp/
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。詳しくはお問い合わせください。