まちかど展示館 エリア特集

日本橋での歴史や展示の見どころをお聞きしました 江戸のまちとのつながりを発見!日本橋での歴史や展示の見どころをお聞きしました 江戸のまちとのつながりを発見!

楊枝資料館

職人による手作りの楊枝(ようじ)を商い300年。
日本唯一の楊枝専門店さるやで江戸の粋を見る。

歌川国芳による江戸末期の錦絵。以前店があった照降町(現・日本橋小網町)にさるやが描かれています。町名の由来は晴れでも雨でも賑わう町とのこと。

今に残る一番古い店の写真。町屋の構えに江戸の雰囲気が残り店員さんも和装。

石造り風の看板建築が味わい深い次の代の建物。

大正~戦前のものと思われる貴重な目録。江戸時代の歯ブラシである房楊枝と現代の歯ブラシが見開きで紹介され、まさに過渡期!

空襲で焼けることがなかった
さるやには、歴代の古い目録(商品カタログ)も残っているとか。

店内の額の中に細工楊枝をズラリと展示。基本形のほか、白魚、うなぎ等の形を巧みに削り出したものも。房楊枝の実物の展示もあります。

江戸の粋を感じるさまざまな楊枝からお土産を選ぶのも楽しい。

上角楊枝ができるまで

黒文字を原料に沖縄の蔵元とコラボした泡盛、黒文字のお香など、大変珍しい品も揃えています。

職人技が光る極細の上角楊枝。芳香を持つ黒文字は折れにくく、ささくれにくい、爪楊枝の代名詞。

桐箱に好きな文字を手書きしてもらえる名入れ楊枝は、誕生日や敬老の日のプレゼントにもおすすめ。

黒文字の箸置きと楊枝がひとつになった新商品。おもてなしに使えば話題になることうけあい。

―さるやの歴史は?
江戸の宝永年間(1704~1711年)に開業し、最初は房楊枝(ふさようじ)を扱っていたようです。当時の楊枝屋の多くは猿屋という屋号を使っていたそうで、その理由は猿は歯が白いからとも、猿を連れて売り歩いていたからとも言われています。実際に楊枝師(ようじし)と猿が一緒に描かれた文献も残っているんですよ。当店は七郎兵衛(しちろべえ)の名を六代ぐらい襲名していたようで、私が九代目になります。
―ずっと日本橋ですか?
2013年にここに移転する前は、江戸時代に照降町(てりふりちょう)と呼ばれた日本橋小網町にありました。店頭にある錦絵にはさるやのマークの「括猿(くくりざる)」の店が描かれていますが、櫛などの小間物も置いてあり、賑やかな通りの印象を描いたものかもしれません。
―さるやの楊枝とは?
日本の楊枝はさまざまな木が使われますが、さるやでは高級とされる黒文字だけを使っています。一本ずつ作る手作業ですから熟練の職人でも一日400本程度しか作れません。実は楊枝作りの技術自体は難しいものではないんです。なので会社勤めを引退してから職人を目指す方も多いんですが、同じクオリティで手早く作り続けることが難しい、そこが職人の技ですね。
片手用・両手用など、ほうきは用途で選べます。先が摩耗したらハサミで少し揃えれば、5年以上使えますよ!

お話を伺った方代表取締役
山本 亮太さん

楊枝資料館

管理者:株式会社日本橋さるや(平成25年度認定)
東京都中央区日本橋室町1-12-5
03-5542-1905
開館日:月~土曜日(祝日を除く) 
開館時間:10:00~18:00
最寄り駅:三越前駅A1番出口 徒歩5分
http://www.nihonbashi-saruya.co.jp/
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。詳しくはお問い合わせください。

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