まちかど展示館 エリア特集

銀座・京橋の「通り」へ、先人の技と文化を受け継ぐ展示館を訪ねました つくり続けて唯一無二の存在へ銀座・京橋の「通り」へ、先人の技と文化を受け継ぐ展示館を訪ねました つくり続けて唯一無二の存在へ

江戸ほうき展示館

1830年創業、京橋竹河岸通りの「白木屋傳兵衛(しろきやでんべえ)」で
エコで騒音の出ないほうきの〝現代力〟を発見!

京橋は江戸時代に竹河岸が近く、材料が仕入れやすい場所でした。ほうきの掛け糸の緑・赤・青は上・特上・極上という等級の目印。

展示されている1/3サイズのほうき。小さいほうき草を探して本物と全く同じに製作。型見本として後世に残す意味も。

麻糸を使い手で丹念に締めながら束ねることで独特の弾力が生まれます。

インドネシア産の上質な草を使った手頃な江戸ほうきや、古来から使われてきた棕櫚(しゅろ)ぼうきも取り揃えています。

昭和45年頃の建て替える前のお店の様子。

6代目店主の中村梅吉さんが現役の頃。引退後は江戸の歴史や文化を伝える活動を続けています。

江戸ほうきの材料

ほうき草(ホウキモロコシ)を使った製法や品質は江戸時代そのまま。現在は国産とインドネシア産を使い、細かに等級分けして製品を作ります。国内栽培の減少が進む中、生産技術を維持しようと直接栽培に取り組んでいます。

←棕櫚ぼうき

棕櫚ぼうきは使い始めに繊維の粉が畳の目に入ってしまうため、畳のある長屋に住むようになったせっかちな江戸っ子が求めたのが江戸ほうきでした。

大掃除に活躍するタワシ。「江戸のほうき屋は古い棕櫚ぼうきを下取りし、バラしてタワシにして売っていたんです。なので伝統的にタワシも扱っています」(中村さん)

厚紙に柿渋を塗って作るちりとり「はりみ」。静電気がおきず埃がくっつかない。

右はサッシの溝掃除に適した硬めの小ぼうき。左はパンくず払いなどテーブル周りにちょうどいいサイズ。

デザイナー大治将典さんとコラボした、籐の柄がお洒落な「掛けほうき」。

―お店の始まりは?
初代は元「水売り屋」だったようですが、銀座に畳表(たたみおもて)を商う店として創業しました。そこで畳用ほうきという当時の新商品を知り、〝今度はこれだな〟と京橋でほうき屋に転身しました。
―製法は昔と違いますか?
実はその頃の作り方とほとんど変わっていません。全部初代が確立し、しかも他の職人が同じ物を作るシステムまで開発しました。それが「草選(くさよ)り」で、まずほうき草を細かく等級分けするのです。うちのほうきは、ランクによりどの草を何本使ってどう編むか、すべて決まっています。選別作業が最も肝要な仕事で、職人は作業をしながらそれを10年かけて覚えるんです。
―ほうきの良さとは?
あまり知られていませんが、ほうきはじゅうたんの掃除にもおすすめです。本物の江戸ほうきは弾力があって掻き出しが効くので、掃除機を掛けた後に掃くとさらに埃が出てきます。じゅうたんの毛を傷めずゴミだけ取れる、電気を使わない、音が出ず夜も使える、排気がなく空気が汚れない、土に還る天然素材…と現代の問題点をすべてクリアしたエコな掃除道具なんです。手に取って掃いてみれば、コシがあって軽く使える江戸ほうきの良さや等級の違いを実感していただけます。
片手用・両手用など、ほうきは用途で選べます。先が摩耗したらハサミで少し揃えれば、5年以上使えますよ!

お話を伺った方代表取締役 中村 悟さん

江戸ほうき展示館

管理者:株式会社白木屋中村伝兵衛商店(平成23年度認定)
東京都中央区京橋3-9-8
03-3563-1771
開館日:月~土曜日(祝日・年末年始等を除く)
開館時間:10:00~19:00
最寄り駅:宝町駅A3番出口 徒歩1分、京橋駅2番出口 徒歩2分
https://www.edohouki.com/
【年末年始の展示館および店舗の営業】
◎展示館にお問い合わせください

TOP