- ―木版画にはどんなものが?
- まずは江戸中期から盛んに作られた多色摺りの浮世絵版画、通称「錦絵」です。江戸の庶民向けの商品、エンターテイメントだったのですが、それが全国にも世界にも広まって芸術として評価されました。けれども明治末期には印刷や写真が広まり、錦絵の技術は絶滅寸前になったんです。浮世絵に魅せられた祖父の庄三郎はそんな明治42年に、彫師と摺師を抱えて版元として創業しまして、大正に入ると「新版画」という新しい浮世絵木版画を生み出すことに注力しました。
- ―新版画と浮世絵との違いは?
- 大きな違いは初めから芸術作品として世界に通用するものをめざしたことです。最初は日本画家がその依頼に応えてくれず、外国の画家であるカペラリやバートレットが絵師となって始め、その後伊東深水(いとうしんすい)、川瀬巴水(かわせはすい)らが参加して世界で人気となりました。そこには洋画の構図等も取り入れてさまざまな技術革新があったんですね。新版画のおかげで浮世絵の命脈を少なくとも100年保つことができたと言われています。
- ―今扱っている作品は?
- オリジナルの浮世絵や新版画のほかに、復刻版や現代作家の作品を当店で摺師が摺っています。版画に興味のある方はぜひお店を覗いてみてください。まず見るだけで結構ですので(笑)。
お話を伺った方3代目社長 渡邊 章一郎さん
渡邊木版画展示館
管理者:株式会社渡邊木版美術画舗(令和元年度認定)
東京都中央区銀座8-6-19
03-3571-4684
開館日:月~土(年末年始等を除く)
開館時間:月~土/10:00~18:00、祝/10:00~17:00
最寄り駅:新橋駅3番出口 徒歩4分、銀座駅B3番出口 徒歩8分
https://www.hangasw.com/
【年末年始の展示館および店舗の営業】
◎年内:12/28(月)18:00まで
◎年始:1/7(木)10:00より