まちかど展示館 エリア特集

銀座・京橋の「通り」へ、先人の技と文化を受け継ぐ展示館を訪ねました つくり続けて唯一無二の存在へ銀座・京橋の「通り」へ、先人の技と文化を受け継ぐ展示館を訪ねました つくり続けて唯一無二の存在へ

仏壇・仏具の歴史館

演舞場通りの安田松慶堂(やすだしょうけいどう)で、江戸仏師の技を見る。
仏壇・仏具の伝統と進化も目の当たりに。

展示コーナーは広いショールームの2階に。普段あまり見ることのないさまざまな仏壇や仏具も見学できます。

東京仏壇の特徴

昭和57年に認定を受けた東京都の伝統工芸品。唐木(からき)と呼ばれる高級輸入材が多く、ホゾ組といった江戸指物の技法を中心に手作業で製作されています。目立つ金具や金箔は使わず、彫刻と木目を活かした摺り漆仕上げが特徴。高級感がありながら丈夫で長持ちするとのこと。

現代の家に似合うタイプの東京仏壇。屋久杉の木目の美を追求した派手でない上質感にあふれ、まさに渋好みの江戸風。

創業以来、荘厳(しょうごん)仏具と呼ぶ寺院仏具を手掛けています。展示には、昭和47年に芝増上寺の仏具を任された際の用命書や仏師が描いた設計図、彫刻見本など貴重な品が。

埼玉県三郷市にある自社工場では職人が寺院仏具を製作。「私の知る限り仏匠を抱える所は東京で2社となりました」と安田さん。

大正8年に発行した領収書が展示ケースの中に。

遺灰を少量納めて身に付けられるペンダントや香蘭社製のミニ骨壺など、今はお洒落に〝手元供養〟できる品も。

お墓に食べ物をお供えしにくい昨今、故人の好物はキャンドルで。食品メーカーとコラボしたお線香はその味の香りが漂います。

精緻に彫り上げられた仏像も。

―東京仏壇の始まりとは?
江戸幕府が仏教を保護して多くの寺院ができ、寺請(てらうけ)制度によって一般の町民が仏壇を持つようになったと言われます。当初は造り付けの棚や飾りの少ない仏壇を指物師(さしものし)や仏師が作っていたようですが、1840年頃、初めて仏壇に黒檀(こくたん)、紫檀(したん)などの唐木材を使ったのが3代目の安田松慶で、それが東京仏壇の始まりと言われているのです。
―お寺の仏具については?
初代の安田松慶が1792年、近江国(滋賀県)から芝増上寺(しばじょうぞうじ)の大仏師として招かれたのが当社の始まりです。その後名字帯刀を許され、以来代々名前を受け継ぎながら、寺院仏具を多くのお寺に納めています。
―東京仏壇を選ぶポイントは?
仏壇には元々無垢板(天然木の1枚板)はあまり使われていないんです。無垢材はねじれたり反ったりしますので、しっかり四角形を保ち扉がきちんと閉まるように、あえて芯材に別の木を貼る「突板(つきいた)」を使います。木目が細かで質の良い材料を用意できるか、それをどう選んで美しく仕上げるか、そこに職人の違いが出ます。木目が活きる仏壇はその綺麗さにも注目して欲しいですね。今はマンションに適したサイズも豊富になりました。細かな祀り方は宗派でも違いますので、気軽に相談していただければと思います。
がっちりして重厚な徳島、軽やかな家具調の静岡など、仏壇も産地によって特徴があるんですよ。

お話を伺った方8代目当主 安田 元慶さん

仏壇・仏具の歴史館

管理者:株式会社安田松慶堂(令和元年度認定)
東京都中央区銀座7-14-3
03-3542-5771
開館日:年末年始等を除く毎日
開館時間:10:00~18:00
最寄り駅:東銀座駅4番出口 徒歩3分、銀座駅A3番出口 徒歩8分、築地市場駅A3出口 徒歩4分
http://www.yasuda-shokeido.co.jp/
【年末年始の展示館および店舗の営業】
◎年内:12/29(火)18:00まで
◎年始:1/4(月)10:00より

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