- ―東京仏壇の始まりとは?
- 江戸幕府が仏教を保護して多くの寺院ができ、寺請(てらうけ)制度によって一般の町民が仏壇を持つようになったと言われます。当初は造り付けの棚や飾りの少ない仏壇を指物師(さしものし)や仏師が作っていたようですが、1840年頃、初めて仏壇に黒檀(こくたん)、紫檀(したん)などの唐木材を使ったのが3代目の安田松慶で、それが東京仏壇の始まりと言われているのです。
- ―お寺の仏具については?
- 初代の安田松慶が1792年、近江国(滋賀県)から芝増上寺(しばじょうぞうじ)の大仏師として招かれたのが当社の始まりです。その後名字帯刀を許され、以来代々名前を受け継ぎながら、寺院仏具を多くのお寺に納めています。
- ―東京仏壇を選ぶポイントは?
- 仏壇には元々無垢板(天然木の1枚板)はあまり使われていないんです。無垢材はねじれたり反ったりしますので、しっかり四角形を保ち扉がきちんと閉まるように、あえて芯材に別の木を貼る「突板(つきいた)」を使います。木目が細かで質の良い材料を用意できるか、それをどう選んで美しく仕上げるか、そこに職人の違いが出ます。木目が活きる仏壇はその綺麗さにも注目して欲しいですね。今はマンションに適したサイズも豊富になりました。細かな祀り方は宗派でも違いますので、気軽に相談していただければと思います。
お話を伺った方8代目当主 安田 元慶さん
仏壇・仏具の歴史館
管理者:株式会社安田松慶堂(令和元年度認定)
東京都中央区銀座7-14-3
03-3542-5771
開館日:年末年始等を除く毎日
開館時間:10:00~18:00
最寄り駅:東銀座駅4番出口 徒歩3分、銀座駅A3番出口 徒歩8分、築地市場駅A3出口 徒歩4分
http://www.yasuda-shokeido.co.jp/
【年末年始の展示館および店舗の営業】
◎年内:12/29(火)18:00まで
◎年始:1/4(月)10:00より