まちかど展示館 エリア特集

この地ならではの歴史や文化をお聞きしました 昔あった川・堀とのつながりは?この地ならではの歴史や文化をお聞きしました 昔あった川・堀とのつながりは?

小津史料館

伊勢商人が開いた紙屋は大伝馬本町通りの大店(おおだな)に。豊富な古文書に感嘆!

江戸後期~明治の小津三店の間取図。土蔵造りの店や蔵がたくさん!

嘉永5年、下水工事の際の入用金を示した珍しい絵図面。

明治初年の小津三店

松阪木綿柄の折り紙や小物は、初代の出身地、伊勢松阪の織物店と提携したもの。

オリジナルのレンズ拭きは来館の記念に。

―江戸時代、紙は船で運んだのですか?
紙は、当時東日本では藩内で使う分しか作れないところが多く、主な産地は西日本で、大阪に集まって来ました。江戸の紙問屋は大阪の紙屋に買い付けを依頼して仕入れたのです。当館にも大阪の業者との明治初期の一札(いっさつ:契約書)を展示しています。買い付けた紙は菱垣廻船(ひがきかいせん)を使って運ぶのですが、17世紀末に江戸に「十組(とくみ)問屋」という荷主側で海運を管理する組織が作られました。塗物店組、綿店組、紙店組、酒店組など10組から成っていて、廻船問屋の船を所有し、大阪から江戸へ送られる物資を独占したようです。十組問屋はその後「株仲間」となって、株がないと江戸での新規参入はできなくなります。株の売買や譲渡も行われ、紙から始まった小津も、木綿を扱う伊勢屋、茶・鰹節を扱う大橋屋と商いを広げました。江戸後期には当時のメイン通りである大伝馬本町通り沿いに、大きなスペースで「小津三店(さんだな)」がずらりと並んでいたのです。
―仕入れた品物はどうやってお店へ?
霊岸島(れいがんじま:隅田川河口の島、現・新川)に蔵を持ち、そこで水路に入れる小さい船に積み替えたんですね。そして東西堀留川で荷揚げし、大八車で店の近くの蔵へ運んだと考えられます。当館には江戸の商いの様子が伝わる資料も多くありますよ。
江戸は反故紙(ほごし)を漉き直す再生紙の生産が中心。小津は新しい紙しか扱いませんでした。

お話を伺った方副館長 小西 良明さん

小津史料館

管理者:株式会社小津商店(平成23年度認定)
東京都中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル
03-3662-1184
開館日:月~土曜日(年末年始等を除く)
開館時間:10:00~18:00
最寄り駅:
JR新日本橋駅5番出口 徒歩2分
小伝馬町駅3番出口 徒歩5分
三越前駅A6番出口 徒歩5分
※臨時休館や開館時間の変更を行う場合があります。

詳しくはお問い合わせください。

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