まちかど展示館 エリア特集

日本橋エリア特集 Part.2 先代から引き継いだものを令和の時代へ

江戸東京組紐 龍工房体験展示館

組紐の技術を究め続ける父の想いと、
すべてを受け継ぎ先を見据える息子の挑戦。

手法やデザインを決めて手組みするだけでなく、染色や純国産絹糸の生産まで携わり、組紐のすべてをプロデュースする都内唯一の工房です。展示コーナーでは、組紐に関連した資料や希少な帯締め等を展示。

皇室や歌舞伎界でも長年愛用される龍工房の帯締め。熟練の技による組みが、適度な伸縮性を持つ格調高い帯締めを生み出します。

組紐の体験講習は初心者にも使いやすい小型の丸台で。(詳細は龍工房へお問い合わせください。)

江戸組紐を代表する丸台を使う3代目の福田隆太さん。天板上(鏡)の糸玉の位置を前後左右対称に交差させては、絶妙な力加減で締めることを繰り返していきます。

絹糸の束を下準備するための五光台。手で組む作業の前に製造工程の約8割の時間がかかります。

ヘラで打ち込みながら組む高台(たかだい)。平組の紐が出来上がります。

創作組紐一筋に、製作卸専門として龍工房を立ち上げた先代の福田万之助さん。

広幅の平組を縫い合わせた大判ストールも新開発。

カメラメーカーと共同開発したストラップは斜格子一間組(ななめこうしいっけんぐみ)。一間組は聖徳太子の束帯などにも使われたそう。

組紐の良さを幅広い方に楽しんでもらいたいと作った携帯ストラップ。

スポーツの応援時にも鳴らしたい、東京くみひも拍子木。今年の東京マラソンEXPOで中央区観光協会のブースでも販売されました。

―前回の東京オリンピックは?
三輪車に乗って空を見たらブルーインパルスの5つの輪を見つけ、心躍ったのを覚えています。(隆さん)
―昭和の時代のエピソードは?
うちは昭和38年に先代が株式会社にしましたが、その前から今まで130年近く帯締めの製作卸をしてきました。戦時中、工場は皆軍需品の生産をしなければなりませんでしたが、組紐がとても丈夫で扱いやすいとパラシュートの紐を作ることになったようです。おかげで戦時中も店の看板を下ろさずにすみ戦争を乗り切ることができました。人の命を守る伝統工芸だったことを誇りに思っています。(隆さん)
―帯締めのほかに商品は?
もちろん帯締めが本業で、先代より受け継いだものを決して疎かにはしませんが、近年は組紐の可能性を広げたいとストラップ、ポーチ、傘、文具…と幅広い企業やクリエイターとコラボしてさまざまな商品を開発しています。それらは息子の隆太が進めてくれていますよ。また私は長年、正倉院の文化財など貴重な古代組紐の復元にも取り組んできました。そういった研究も新しい組紐の技術開発に活きています。今回はまちかど展示館の認定をきっかけに、一般の方が体験できる「ミニ丸台」を作りました。皆さんも組台に向かい、ぜひ組紐作りに挑戦していただきたいですね。(隆さん)

お話を伺った方代表取締役
福田 隆さん

ご子息
福田 隆太さん

江戸東京組紐 龍工房体験展示館

管理者:株式会社龍工房(平成30年度認定)
東京都中央区日本橋富沢町4-11
03-3664-2031
開館日:月〜金(祝日・年末年始等を除く)※組紐体験は要予約
開館時間:11:00〜16:00
最寄り駅:
人形町駅A4番出口 徒歩2分、
浜町駅A1番出口 徒歩7分
HP:http://ryukobo.jp/
【年末年始の展示館および店舗の営業】
◎年内:12/27(金)16:00まで
◎年始:1/9(木)11:00より

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