2024年7月公開
京橋川
江戸時代に造られた約0.6㎞の人工の川で、京橋の名から京橋川と呼ぶように。外濠(外堀)から東に流れ、楓川、三十間堀川、桜川と十字路のように合流していました。昭和38~40年に埋め立てられ、上には高速道路が。
※参考として川が存在した江戸時代の地図も掲載しています。橋があった時代とは異なる場合があります。
1白魚〈しらうお〉橋
開削当初は、楓川の弾正〈だんじょう〉橋、三十間堀川の真福寺〈しんぷくじ〉橋とコの字型を描き三ツ橋として名所の一つに。
白魚橋開通記念-架橋後新橋-/鴻池組(昭和6年)
左)高速の白魚橋乗継所にその名を残すのみ。
右)近くにある自動電話交換発祥の地。
2炭屋(谷)〈すみや〉橋〔三年橋〕
京橋川北岸にあった炭町から名付けられました。
銀座一丁目 テアトル東京前の電話ボックスと靴磨き
/京橋図書館撮影(昭和32年)
炭谷橋/シビルエンドアーチテクチウア
第10巻(昭和6年刊)
3京橋
慶長年間の創架とされ、東海道(中央通り)で京へ向かう最初の橋のためこの名に(諸説あり)。欄干に擬宝珠〈ぎぼし〉が飾られた格式高い橋で、竹河岸〈たけがし〉や大根河岸〈だいこんがし〉がありました。明治8年に石造アーチ橋になり、以降数回架け替え。今も、明治築2基と大正築1基の親柱が残ります。
名所江戸百景 京橋竹がし/歌川広重(1856~1858年)
/画像提供:国立国会図書館
京橋大根河岸の図/新撰東京名所図会(明治34年頃)
左)京橋親柱/平井勝夫撮影(平成12年)
右)交番の隣にある明治築の親柱。
京橋と都電/中央区撮影(昭和38年)
京橋川埋立て工事/中央区撮影(昭和40年)
今は東京高速道路の下。大正築の親柱を模した交番が。
紺屋橋近くの幸〈さいわい〉稲荷神社。
三十間堀〈さんじっけんぼり〉川
江戸初期に江戸前島の海岸線を利用し、沖を埋め立てる形で造られた舟入堀〈ふないりぼり〉。幅が30間(約55m)あり、舟運に活躍しました。江戸後期に幅は19間(約34m)に狭められ、明治36年、屈曲していた京橋川との合流点は真っすぐに。戦後、瓦礫処理のため埋められ昭和27年に消失。
※参考として川が存在した江戸時代の地図も掲載しています。橋があった時代とは異なる場合があります。
4水谷橋
三十間堀川 -紀ノ国橋より水谷橋方面を望む-(昭和23年)
上)保育園があるビルの屋上に水谷橋公園があります。
下)近くには昭和初期建築のレトロな奥野ビル。
5豊玉橋
建築写真類聚 橋梁 巻二 -豊玉橋-(昭和2年刊)
6朝日橋
日本之名勝 -岩谷商会煙草製造工場-(明治33年刊)
川沿いにあった朝日稲荷神社の遥拝所。本殿は大広朝日ビルの屋上にあり、土を詰めたパイプでつながっています。
7三原橋
8木挽〈こびき〉橋
9賑〈にぎわい〉橋
江戸時代、三十間堀川の両岸には、西豊玉河岸と東豊玉河岸があり、荷揚げで賑わいました。江戸後期の創架とされる三原橋は、昭和初頭の震災復興橋梁が唯一埋め立て後も残り、平成26年の三原橋地下街の解体時まで存在しました。
三十間堀川-綜合ビル屋上より木挽橋方面を望む-(昭和23年)
三原小路にあるあづま稲荷大明神。
三十間堀川 -三原橋 木挽橋間道路築造作業中
其ノ2-(昭和24年)
銀座マーケット-三十間堀埋立地-/京橋図書館撮影(昭和31年)
上)旧三原橋下映画館 -銀座-/平井勝夫撮影(平成19年)
下)地下街両端にあったビルの跡地は三原橋街角広場に。
10出雲橋
三十間堀川 -八通八橋より出雲橋を望む-(昭和23年)
花椿通りに当たります。
汐留川
江戸時代に開削された堀で、海の埋め立てで造られた浜御殿の脇へ延長され、こう呼ぶように。埋め立てで昭和38年には浜離宮恩賜庭園の北西側を残すのみになりました。
※参考として川が存在した江戸時代の地図も掲載しています。橋があった時代とは異なる場合があります。
11新橋
日本橋と同時期に創架された、地名の由来の橋。近くの橋より新しいと新橋〈あたらしばし〉と呼ばれ、芝口御門ができ芝口橋となるも、後に新橋が正式名に。
新橋 -東京名所 絵はがき-(明治40年)
1710年、朝鮮通信使に向けて国の威光を示すために造られた芝口御門の跡。
14年後に焼失。
12蓬萊〈ほうらい〉橋
明治7年の架け替えで、後藤象二郎が興した蓬萊社が資金を出したためこの名に。
東京芝口橋ほうらいばし遠景之図/昇斎一景(明治7年)
昭和に使われた貨物引込線の踏切が残る。
13大手門橋〔南門〈なんもん〉橋〕
築地川にある浜離宮恩賜庭園へ続く橋。大正15年にできた震災復興橋が現存。
南門橋-浜離宮入口-/平井勝夫撮影(平成19年)
江戸地図:復刻版 御江戸大絵図 原本刊行年:天保14(1843)年
協力:こちずライブラリ
画像提供:中央区立京橋図書館
町名の移り変わり
江戸最後(慶応3年)から、大正の関東大震災後を経て、現在までの名前の変遷をご紹介!
●京橋京橋・宝町北槇町・南槇町・南伝馬町・大鋸町・本材木町・桶町・南鍛冶町・因幡町・北紺屋町・畳町・具足町・柳町・炭町ほか
●銀座銀座・銀座西・木挽町南紺屋町・木挽町・弓町・西紺屋町・新肴町・鎗屋町・三十間堀・元数寄屋町・南鍋町・山下町・尾張町・加賀町・出雲町ほか
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